下請けから好かれる現場監督の特徴
下請けの職人さんたちから「また一緒に仕事がしたい」と思われる現場監督には、どんな特徴があるのだろうか。今回は、私が現場で見てきた、下請けから好かれる現場監督に共通する特徴をまとめてみた。
指示出しが的確でわかりやすい
下請けの職人さんたちにとって一番の願いは、現場での段取りをスムーズにやってほしいということだろう。
現場での指示が的確で、無駄がない現場監督は、かなり心強い存在なので、職人さんたちから好かれる傾向にある。
サポートや気遣いが抜群
人望のある現場監督は、暑い日にジュースを差し入れしたり、職人の顔を見て「休憩してくださいね」と一言声をかけられる人が多い。こういった小さな気遣いやコミュニケーションから、信頼関係がうまれる。
自分たちを気にかけてくれる存在は何歳になっても嬉しいものだ。現場で一番過酷な作業を担ってくれている彼らを気遣ってあげることができる人とそうでない人では、信頼度が格段に違う。
予算の引っ張り方がうまい
下請けが現場監督に抱く不満は、施工方法等の変更に伴って発生する追加費用が支払われないことではないだろうか。この状況を打破するためには、現場監督が発注者との協議の上、追加の予算を引っ張ってこれるかどうかがキモになる。
追加予算をみてもらうためには、それなりの根拠と、実際にこれだけ費用がかかるという具体的なコストを提示できなければならない。この交渉によって、追加予算が引っ張れるかどうかが決まると言っても過言ではない。
この交渉術が上手い人間は、予算をしっかりと引っ張ってこれるので、結果的に下請けに気持ちよく支払いができる。仕事においても、金の切れ目が縁の切れ目だ。
愛嬌がある
現場監督だけでなく、仕事をする上で愛嬌は必須のスキルだ。いつも愛嬌があり、自分のミスに対して素直に謝れる監督は、いざミスをした時にも下請けや協力業者が助けてくれることが多い。
逆に、愛嬌がなく普段から無愛想な態度を取り続けていると、自分のミスが発覚した時に、周りから冷たくあしらわれ、誰にも助けてもらえない状況に陥りやすい。
つまり、自分がミスをした際、周りがどんな反応をするかによって、自分が周りにどう思われているかがわかるということだ。
現場の雰囲気が良い
現場の雰囲気は、現場監督の力量が出ると言われている。確かに、これまで色々な現場を経験してきたが、現場監督によって現場の雰囲気も全く異なる。
もし現場監督がピリついていたならば、その雰囲気はモロに現場に伝わり、一気に現場もピリついてしまう。緩すぎるのも良くないと思うが、現場の雰囲気が最悪な現場は、現場監督と下請けがうまくいっていない可能性が非常に高い。
――現場監督をやっているからには、下請けの職人さんたちから「また仕事がしたい」と思ってもらえるような監督になりたいものだ。
特に地方で仕事をしている場合、下請け業者も数社しかおらず、同じメンツで県内の現場を回していることも多い。下請けからの印象は、仕事そのものにも影響するということだ。
周りから信頼がある、そんな現場監督に私はなりたい。