なぜか発生する「生コンの数量合わない問題」。土木施工管理ならではの悩み(施工の神様より)

土木施工管理をしている私だが、この仕事はつくづくハードだなと感じる。工事金額が大きければ大きいほど、業務量も膨大だ。

そんな施工管理は、日々どんなことで悩んでいるのか。細かいことから大まかなことまで、悩み事として多いものをいくつか見ていこう。

生コンの数量を余らせるor足りない

若手施工管理は、この生コンの数量を間違える問題に、一度は悩まされたことがあるのではないだろうか。正直、これは誰もが通る道であると考えている。

単純に計算を間違えて頼んでしまい、生コンの数量に差異が出ることは誰にでもあるミスだが、現場で実際に寸法や延長を計測して、計算は間違っていないのに、なぜか施工条件によっては生コンが足りなかったり、多く余ってしまうことが多々ある。

人が作る型枠であるがゆえ多少の寸法誤差が出ていることや、栗石等の上に生コンを打設する場合は、数量が食い込んで、思ったよりも生コンが必要な場合もある。

数量が余っても足りなくても文句を言われるのだが、計測をした通りに計算してその数量を頼んでも、どういうわけか生コンの数量が合わない問題が発生する。これは管理をしている人間にしか理解できない悩みだろう。

「少し多めに」が意外と難しい

1つ目の話にも関係するが、生コンを頼む場合、算出した数量に0.25m3を足した数字を頼むのがマストとされている会社も多いだろう。しかし私は、基本的に0.5m3足して頼むようにしている。

同じ文句を言われる場合でも、生コンが足りない場合と多い場合では、明らかに後者のほうが良い失敗だと思うからだ。

特に、後の工程が詰まっている場合などは、生コンが打てないと段取りが一気に狂うため、ここは余ってでも多く頼むようにしている。ただ、多すぎても怒られるだけなので、この「少し多め」が意外と難しい。

職人とのコミュニケーションは、若ければ若いほど難しい

私もまだ30代なので、現場では年齢的に若手施工管理として見られている。若い監督だと、どういうことが起こるのか?

例えば、中堅の施工管理と私が現場で職人に同じ説明をしたとしよう。中堅施工管理の言うことは黙って「わかりました」と言って施工するのだが、私のような若手の場合は、絶対に職人から「その施工の仕方は難しい」「ポイント出してくれなければ施工のしようがない」といちゃもんが入る。

若いからというだけで現場で言うことを聞いてもらえない、正しいことを言っていても聞く耳すら持ってもらえないことがある。こういう風習がこの業界で一番嫌いなポイントだ。

現場で働く人間のビジネスリテラシーが低すぎる

現場では特に、ビジネスリテラシーが低い人間が多いように感じる。営業出身の私からすれば、施工管理の1年目は衝撃的だった。

社会人として、クライアントには誠実な対応で話をする営業マンだった私にとっては、クライアントである施工管理に対して、下請けの職人が平気で罵声を浴びせている光景が異様で仕方がなかった。下請け業者を責める気はないが、「元請け」という立場には、やはりわかって接するべきではないだろうか。

この業界は仕事の段取りが進まなければ、儲からないというのは十分に理解している。しかし、だからといってクライアントに向かって暴言を吐くのは、絶対に間違っている。

みんな同じ悩みを抱えている

ここまで、施工管理が日々現場で悩んでいることを書いてきたが、決してこの仕事が嫌なわけではない。むしろ建設業界が好きで、良くしていきたいと思っている。

これから若者がこの業界に入ってきた時、同じような悩みを持つ人が出てくるだろう。特に、新人の頃は辛いことも多く、離職率がグッと上がることも色々なデータなどでも出ている。

人手不足の建設業界を変えるためには、建設業界全体のビジネスリテラシーを上げることや、経験や知識を若手に継承していくことが大事だと考えている。

「決して自分だけではないんだ」ということを知ってもらうという意味でも、この記事を掲載することには意味があると信じている。

 

施工の神様

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