皆さんこんにちは。
エンタです。
この手の話しはよくありますよね~!
ゼッタイに方針を曲げずにとんでもない事になるも、非を認めない方も多数いますよね(笑)
そうならないためにも日々精進ですね。
コンクリート打ち放し型枠の崩壊
ある現場で、コンクリート打ち放しの柱の型枠が崩壊した。1.2m角、高さ10mの型枠だ。
「ブチッブチッ」というセパの切断音と共に柱脚が開き、ドバッと生コンがあふれだしたのである。
型枠の状態を確認すると、直径6mの丸鋼がちぎれていた。
あふれだした生コンの処理には、現場総出で夜中までかかった……。
型枠大工の親方Aさんの反対意見
型枠から生コンがあふれだした原因は、型枠大工ではなく、設計者にあった。
コンクリート打ち放しの柱について、設計者がセパの位置を指定した時、型枠大工の親方Aさんは何度も反対していた。
「2分のセパでそんな本数じゃ持ちませんよ!]
「いくら補強しようが鎖で抑えようが、よっぽど静かに打設しないと無理ですよ!」
「せめて3分のセパで、もうちょっとピッチを狭めさせてもらえませんか?」
……こうした反論を聞いていた私は、型枠大工の親方Aさんに直接話を聞きにいってみた。
型枠大工Aさんは、こう話してくれた。
「当初の図面では、2分のセパを300@に配置する計画だった。まぁそれなら何とかなるだろうと思ったが、急にピッチを倍にしろと言うんだ。」
「無理だよ!どうしてもやれ!って言うからやるけど絶対駄目だと思うよ!」
しかし結局、設計者の意見は曲がらず、結果は親方Aさんの言う通りになってしまったわけだ。
あふれだした生コンの処理は、設計者ではなく、型枠を造った当の型枠大工たちが先頭に立って対応した。
職人が意見するのは緊急事態だ
型枠大工Aさんが正しかったことを、ようやく理解した設計者は、これ以降、ピッチを半分にしてコンクリート打設を完了させた。
職人の長年の経験から来る勘は、それなりに裏づけがある。「餅は餅屋」という諺もあるが、職人があえて意見を言う場面は、余程の緊急事態だと認識すべきだろう。
「図面通りに!」と杓子定規に答えるのではなく、本音を語ってくれる職人には感謝しよう!
職人の意見を聞く耳を持てるようになってこそ、設計者も施工管理者も能力をグレードアップできるというものだ。